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4.3.2 マクロモデルの適用

 

降車の場合と同様にまずマクロモデルの適用を試みる。乗車に関してマクロモデルが成立するならば、
T(乗車所要時間)=m(乗車人数)/g(Dt、Dh)(車内混雑度及びホーム混雑度から求まる乗車速度(流量))
<式4.3.2−1>

 

マクロモデルに基づいて設定した、乗車所要時間算出式と実際の乗車状況の関係を調べるため、映像データから得られる、乗車人数、乗車所要時間の関係を図4.3.2−1〜図4.3.2−33にまとめた。また、乗車開始時の車内混雑度もパラメータに加え、同一車内混雑度での、乗車人数と乗車所要時間の関係を図示する。またワイドドアの効果を確認するため、ワイドドア車に関しては図中にマーキングを行った。(図4.3.2−11、図4.3.2−22、図4.3.2−33)
混雑度の分類は降車の場合と同様に映像に記録される列車到着時の車内の様子を目視で分析し、5段階に分類し、降車人数を減算した後の混雑度を計算によって求め、その値を乗車開始時の軍内混雑度とした。図4.3.2−1〜図4.3.2−35より以下のことが判明した。
a.乗車人数と乗車所要時間の相関関係について。
図4.3.2−1〜図4.3.2−35で確認できる通り、乗車人数と乗車所要時間には正の相関関係があると考えられる。これは「マクロモデル」の考え方と一致している。
b.乗車所要時間と車内混雑度の関係について
「メッシュモデル」では、乗車速度(流量)と車内混雑度の間に相関関係があると仮定した。この仮定が正しいとすれば、図4.3.2−12〜図4.3.2−22上の同一乗車人数に対する乗車所要時間のばらつきが車内混雑度に依存するはずである。車内混雑度と乗車速度(流量)の関係を図4.3.2−35に示す。図4.3.2−35より、車内混雑度と乗車速度(流量)の間には負の相関関係が存在することがわかる。

 

 

 

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